神奈川|箱根関所(おたまちゃん)
神奈川 箱根 より大岡豪です。箱根関所にきています
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今回は、神奈川県 箱根町 よりお届けします
江戸時代の息吹を感じる旅へ – 箱根関所徹底解説 ~悲劇の少女「おたまちゃん」の物語とともに~
箱根といえば、美しい自然、温泉、そして歴史的な名所が数多く存在することで知られています。今回は、タイムスリップしたかのような感覚を味わえる場所、箱根関所を訪れ、その歴史と、そこで起きた悲しい物語に迫ります。
箱根関所の歴史 – 江戸幕府の要
箱根関所は、江戸幕府が1619年(元和5年)に東海道に設置した関所の一つです。江戸に最も近い関所として、交通の要衝であり、江戸の防衛においても重要な役割を果たしていました。特に「入り鉄砲に出女」という言葉に代表されるように、江戸から諸藩へ鉄砲が持ち出されること、そして諸藩から江戸へ女性が逃げることを厳しく取り締まっていました。
明治時代に入り、関所の役割は終わりを告げ、建物も失われましたが、大正11年に国の史跡に指定されました。そして、平成に入り、発掘調査や古文書の研究に基づいて、江戸時代末期の姿が忠実に復元されたのです。
復元工事 – 職人たちの技と情熱の結晶
復元工事は、まさに職人たちの技と情熱の結晶と言えるでしょう。
- 発掘調査: 遺跡の発掘調査が行われ、建物の礎石や石垣の一部が発見されました。これにより、建物の位置や規模が特定できました。
- 古文書の活用: 当時の資料、特に解体修理の記録などが記された古文書が重要な手がかりとなりました。建物の部材の材質、寸法、仕上げなどが克明に記されており、復元に大いに役立ったそうです。
- 伝統工法の継承: 石垣の修復では、江戸時代と同じ道具が使われ、一つ一つ丁寧に石をはつり、形を合わせて積み上げていくという、まさに伝統の技が用いられました。木造建築においても、木材の選定から加工、組み立てに至るまで、伝統的な工法が忠実に再現されています。
- 若手大工の活躍: 復元工事には多くの職人が関わりましたが、特に若手大工の活躍が目立ったそうです。棟梁が若手に仕事を任せることで、技術を継承し、人材を育成するという意図もあったようです。
これらの工程を経て、箱根関所は江戸時代の姿を現代に蘇らせたのです。
関所の役割と人々の暮らし – 「入り鉄砲に出女」と関所破り
箱根関所では、通行人の取り調べが行われていました。特に女性は厳しくチェックされ、通行手形がない場合は通行を拒否されたそうです。関所を通る人々は一日あたり約2800人にも及んだと言われています。
関所では、足軽と呼ばれる人々が警備や見回りの任務に当たっていました。彼らは現代でいう警備員のような役割を果たし、24時間体制で湖と山を監視していたそうです。
関所破りは、幕府に対する重大な反逆行為とみなされ、磔獄門などの厳しい刑罰が科せられました。しかし、300年の間に実際に処刑された関所破りはわずか6名だったと言われています。これは、当時の役人が必ずしも厳格な対応をしていたわけではなく、道に迷ったという言い訳を受け入れたり、金銭による裏取引が行われたりすることもあったためと考えられます。また、明治維新の際に、関所破りの罪で捕らえられていた1名が放免されたという記録も残っています。
悲劇の少女「おたまちゃん」の物語 – 重い刑罰「磔獄門」
元禄15年(1702年)、伊豆国大瀬村(現在の静岡県伊豆市)で生まれたおたまは、7歳の時に江戸に住むおじの家に奉公に出されました。17歳になったおたまは、故郷を懐かしむあまり、奉公先を抜け出して伊豆へ帰ることを決意します。
通行手形を持っていなかったおたまは、箱根関所の脇にある山を越えて抜けようとしましたが、芦ノ湖から山の上まで柵で囲まれた厳重な警備を突破できず、村人に見つかり、関所破りの罪で捕らえられてしまいます。
捕らえられたおたまは、箱根関所の獄屋に入れられ、約2か月間の裁判の末に処刑されました。関所破りは親殺しと同じく最も重い罪とされており、本来は磔という刑が定められていましたが、おたまの場合は獄門(さらし首)に処せられたようです。
ここで、当時の重い刑罰である「磔獄門」について説明します。
- 磔(はりつけ): 罪人を十字形の木に縛り付け、槍で突き刺す刑です。罪人の体を晒し、見せしめにする目的もありました。非常に苦痛を伴う刑罰であり、死に至るまで時間がかかる場合もありました。
- 獄門(ごくもん): 斬首刑にした後、その首を数日間、人通りの多い場所に晒す刑です。罪人の首を晒すことで、他の人々への見せしめとし、犯罪の抑止効果を狙いました。
- 磔獄門: この二つの刑罰を組み合わせた場合、まず磔刑が執行され、その後、首を落として獄門にかけられるという形で行われました。これは、最も重い罪を犯した者に対して行われる刑罰であり、罪の重さを強調し、人々を強く戒める意味合いがありました。
おたまちゃんのケースでは、磔ではなく獄門に処せられています。これは、関所破り自体は重罪ではあるものの、上記の極めて重い罪と同等とまでは見なされなかったためと考えられます。しかし、関所破り自体も幕府の権威を傷つける行為と見なされたため、死罪という重い刑が科されたことは事実です。
おたまが捕らえられた付近の坂は「於玉坂」、そして「お玉が追手を逃れて身を投げた」または「処刑されたお玉の首を洗った」という言い伝えが残る池は「お玉ヶ池」と呼ばれるようになりました。おたまの悲劇は、箱根関所の厳しさを物語るとともに、後世の人々に語り継がれる悲しい伝説として残っています。
おたまの物語は、当時の女性が置かれていた社会的な状況を反映しています。女性は自由に移動することが制限され、男性に従属する存在として扱われていました。おたまは、そのような束縛から逃れようとした結果、悲劇的な運命をたどることになったのです。
箱根関所の施設 – 当時の暮らしを垣間見る
箱根関所には、当時の生活を垣間見ることができる様々な施設がありました。
- 上番所下雪隠と足軽番所雪隠: 役人専用のトイレと足軽が使うトイレがありました。旅人が利用できるトイレはなかったようです。
- 遠見番所: 芦ノ湖を監視し、不審な人物や船の侵入を防ぐための見張り台です。二階建てで、昼夜を問わず番人が見張りをしていたと言われています。
箱根の自然と歴史を満喫 – 周辺の観光スポット
箱根関所の周辺には、歴史と自然を満喫できる魅力的なスポットが点在しています。
箱根関所の周辺には、歴史と自然を満喫できる魅力的なスポットが点在しています。
恩賜箱根公園 – 芦ノ湖と富士山の絶景
恩賜箱根公園は、芦ノ湖畔の高台に位置する県立公園です。かつて皇室の避暑地であった箱根離宮の跡地で、「恩賜」の名は天皇から下賜されたことに由来します。
- 見どころ:
- 芦ノ湖と富士山の絶景: 公園内からは芦ノ湖と富士山の雄大な景色を一望できます。特に湖畔展望台からの眺めは素晴らしく、写真撮影スポットとしても人気です。
- 四季折々の自然: 春は桜、夏は深緑、秋は紅葉と、四季折々の自然を楽しめます。特に紅葉の時期は、湖面に映る紅葉が美しく、多くの観光客で賑わいます。
- 歴史的建造物: かつての離宮の名残である石垣や庭園などが残っており、歴史的な雰囲気を味わえます。
- 訪れた際の注意点: 私が訪れた際は、洋館は閉鎖されており、200段階段は凍結のため通行止めになっていました。冬期は閉鎖されている施設や場所もあるので、事前に確認することをおすすめします。
箱根神社と九頭龍神社 – 信仰と縁結びの聖地
箱根神社と九頭龍神社は、切っても切れない深い関係にあります。箱根大神は山の神、九頭龍大神は水の神として、古くからこの地を守ってきました。かつて芦ノ湖に住み着き人々を苦しめていた毒龍は、箱根神社中興の祖である万巻上人によって調伏され、その後、湖の守護神である九頭龍大神となったという伝説が残っています。九頭龍神社は箱根神社の末社という位置づけで、芦ノ湖畔の本宮と、箱根神社の境内にある新宮の二ヶ所に祀られています。両社を合わせて参拝することで、より大きなご利益をいただけるとされています。特に九頭龍神社は、縁結びの神様として近年人気を集めています。
- 箱根神社(はこね – じんじゃ):
- ご利益: 開運厄除、心願成就、交通安全、縁結びなど、幅広いご利益があるとされています。
- 見どころ:
- 平和の鳥居: 芦ノ湖に立つ赤い鳥居は、箱根神社のシンボルとして有名。湖と鳥居、そして背後の山々が織りなす風景は、まさに絶景です。
- 本殿: 朱塗りの社殿は荘厳な雰囲気。参拝することで心が清められるような感覚になります。
- 訪れた際の注意点: 私が訪れた日は初詣の時期で、長い行列ができていたため、参拝を諦めました。特に正月期間は大変混雑するので、時間に余裕を持って訪れるか、時期をずらすことをおすすめします。また、周辺道路も大変混雑していました。秋の紅葉シーズンもオーバーツーリズムになるそうです。
- 九頭龍神社 本宮:(くずりゅう – じんじゃ)
- ご利益: 縁結び、開運招福、商売繁盛などにご利益があるとされています。特に縁結びの神様として有名で、多くのカップルや女性が訪れます。
- 見どころ:
- 本宮: 芦ノ湖畔にあり、静かで神秘的な雰囲気。毎月13日には月次祭が行われ、湖上から参拝するという珍しい神事が行われることでも知られています。箱根園から徒歩でアクセスできます。
- 新宮: 箱根神社の境内にあり、箱根神社と合わせて参拝しやすいです。
- 今後の楽しみ: 今回は残念ながら九頭龍神社には行けなかったので、次回はぜひ訪れたいと思っています。特に、月次祭の時期に本宮を訪れ、湖上からの参拝を体験してみたいです。
湖畔での過ごし方 – 遊覧船もおすすめ
箱根の湖畔で富士山を眺めながらゆっくりと過ごすのもおすすめです。湖には複数の港があり、遊覧船も運航しているので、船に揺られながら景色を楽しむのも良いでしょう。私も、車の混雑を避けるために夕方まで湖畔でゆっくりと過ごしました。富士山を眺めながらのんびりとした時間を過ごすのは、とても贅沢な体験です。
まとめ
箱根関所は、江戸時代の社会秩序を維持するための重要な施設でした。おたまちゃんの悲劇は、箱根関所の厳しさと、当時の社会状況を象徴する出来事として、現代にも語り継がれています。箱根を訪れた際には、ぜひ箱根関所に足を運び、歴史の息吹を感じてみてください。また、周辺の観光スポットも合わせて訪れることで、箱根の魅力をより深く堪能できるでしょう。
箱根関所(神奈川県)周辺の情報
地図の操作方法は、⤥下の方 に記載していいます。
地図の操作方法
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