和歌山 | さようなら、白浜の宝(アドベンチャーワールド)

パンダファミリー中国への旅立ち

和歌山県白浜町の人気レジャー施設「アドベンチャーワールド」から、園内で飼育されているジャイアントパンダ全4頭が2025年6月末、中国へ返還されるというニュースは、日本全国に衝撃と一抹の寂しさをもたらしました 。母「良浜(らうひん)」とその娘たち「結浜(ゆいひん)」「彩浜(さいひん)」「楓浜(ふうひん)」の一斉帰国は、長年パンダファミリーを見守ってきた多くの人々にとって、一つの時代の終わりを告げる出来事と言えるでしょう。2025年4月下旬の発表以来、別れを惜しむ多くのファンがアドベンチャーワールドに詰めかけています 。  

このパンダたちの「完全な家族」としての旅立ちは、個々のパンダの返還とは異なり、より大きな喪失感と、アドベンチャーワールドの歴史における重要な転換点を印象付けます。4頭全頭という規模での返還は、同園のパンダ展示が一時的にではあれ、完全に途絶えることを意味し、施設の象徴的存在であったパンダファミリーの不在は、訪れる人々の心に深く刻まれることでしょう 。さらに、発表から返還までの期間が約2ヶ月という短さも、ファンや一般の人々が最後に一目会いたいという気持ちを掻き立て、別れを惜しむ声の大きさに繋がっているようです 。  

白浜の宝、パンダファミリーとの別れ

和歌山県白浜町に位置する「アドベンチャーワールド」は、動物園、水族館、遊園地が一体となった複合型テーマパークとして、長年にわたり多くの観光客に愛されてきました 。その中でも、ジャイアントパンダの飼育と繁殖は特筆すべき成果を上げ、日本国内におけるパンダ研究の拠点としての役割も担ってきました。しかし、2025年4月24日、同園は現在飼育するジャイアントパンダ全4頭、すなわち母親の「良浜(らうひん)」(24歳)、そして娘の「結浜(ゆいひん)」(8歳)、「彩浜(さいひん)」(6歳)、「楓浜(ふうひん)」(4歳)を、同年6月末に中国へ返還すると発表しました 。この決定は、日中共同ジャイアントパンダ保護研究プロジェクトの契約期間満了に伴うものであり、多くの人々に驚きと寂しさをもたらしています 。本稿では、このパンダたちの中国返還を中心に、アドベンチャーワールドの歴史的背景、返還イベントの内容、パンダたちの興味深いエピソード、施設の魅力、そして周辺観光スポットについて解説します。  

パンダと歩んだ30年:アドベンチャーワールドと日中共同繁殖研究の軌跡

ジャイアントパンダが外交のシンボルとして他国へ贈られる「パンダ外交」は古くから存在し、日本においても685年に則天武后(そくてんぶこう)から天武天皇(てんむてんのう)へつがいのパンダが贈られた記録があります 。近代におけるアドベンチャーワールドとパンダの歴史は、1994年に中国・成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地との間で「日中共同繁殖研究」が開始されたことに始まります 。この共同研究は、絶滅の危機に瀕するジャイアントパンダの保護と繁殖を目的とした国際的な取り組みの一環であり、アドベンチャーワールドは成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地にとって世界初の国際協力パートナーとなりました 。  

このプロジェクトの成功の礎となったのが、1994年に来園したオスの「永明(えいめい)」と、2000年に来園したメスの「梅梅(めいめい)」です 。特に永明は、梅梅との間に6頭、そしてアドベンチャーワールドで生まれた良浜との間に10頭、合計16頭もの子供たちの父親となり、「飼育下で自然交配し、繁殖した世界最高齢のジャイアントパンダ」としての記録も樹立しました 。アドベンチャーワールドはこれまでに17頭のパンダの繁殖に成功し 、日本で初めてジャイアントパンダの双子を両方とも育てることにも成功するなど 、その繁殖技術は高く評価され、「功労賞」や「繁殖賞」も受賞しています 。  

重要な点として、これらのパンダは「ブリーディングローン(繁殖貸与)」という形で日本に滞在しており、日本で生まれた子供たちを含め、全てのジャイアントパンダの所有権は中国にあります 。従って、契約期間が満了すれば中国へ返還されることが定められています。  

アドベンチャーワールドにおけるジャイアントパンダ繁殖研究は、2023年9月に30周年という大きな節目を迎えました 。この長きにわたる成功の歴史があるからこそ、今回の全頭返還は大きな転換点として受け止められています。永明自身も2023年2月に娘の「桜浜(おうひん)」「桃浜(とうひん)」と共に中国へ返還されており 、今回の良浜たちの返還も、この国際的な保護プログラムのサイクルの一部と言えます。  

アドベンチャーワールド ジャイアントパンダ繁殖史の主な出来事

主な出来事
1994年中国成都ジャイアントパンダ繁育研究基地との共同繁殖研究開始。「永明(オス)」来園。
2000年「梅梅(メス)」来園。アドベンチャーワールド初のパンダの赤ちゃん「良浜(メス)」誕生(父:永明、母:梅梅が中国で妊娠)。
2001年「雄浜(オス)」誕生(永明と梅梅の子、日本国内での初の自然交配による繁殖成功)。
2008年良浜が双子「梅浜(メス)」「永浜(オス)」を出産。日本生まれのパンダによる初の出産。
2016年「結浜(メス)」誕生(父:永明、母:良浜)。
2018年「彩浜(メス)」誕生(父:永明、母:良浜)。
2020年「楓浜(メス)」誕生(父:永明、母:良浜)。
2023年2月「永明」「桜浜」「桃浜」が中国へ返還。
2025年6月「良浜」「結浜」「彩浜」「楓浜」が中国へ返還予定。

この輝かしい歴史は、アドベンチャーワールドが単なる娯楽施設ではなく、種の保存という地球規模の課題に真摯に取り組んできた証左です。そして、その中心には常にパンダファミリーの愛らしい姿と、日中双方のスタッフの並々ならぬ努力がありました。

契約満了と未来への願い:4頭のパンダ、それぞれの旅立ち

2025年6月末にアドベンチャーワールドから中国へ旅立つのは、母親の「良浜(らうひん)」(24歳)、そしてその子供たちである「結浜(ゆいひん)」(8歳)、「彩浜(さいひん)」(6歳)、「楓浜(ふうひん)」(4歳)のメス4頭です 。彼女たちは、中国四川省にある成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地へ帰国します 。  

返還の主な理由は、日中間で進められてきた「ジャイアントパンダ保護共同プロジェクト」の契約期間が2025年8月をもって満了するためです 。パンダたちの体調を考慮し、比較的気候が涼しい6月末の返還が決定されました 。  

個々のパンダの返還理由には、それぞれの状況が反映されています。24歳と高齢期に差しかかっている良浜については、中国のより充実した医療体制と安心して暮らせる環境で余生を過ごすことが望ましいとの判断がなされました 。一方、まだ若い結浜、彩浜、楓浜の3頭は、中国の繁殖計画に参加し、新たなパートナーを見つけて種の保存に貢献することが期待されています 。これらの理由は、契約満了という事務的な側面だけでなく、動物福祉や種の保存という、より大きな視点に基づいた決定であることを示しています。  

返還に先立ち、パンダたちは約1ヶ月間の検疫期間に入り、その間はガラス越しでの公開となる予定です 。具体的なお別れイベントについては、2025年5月11日の母の日に、良浜への感謝を込めた特別イベントが開催され、好物のタケノコやニンジンで作ったカーネーションなどが贈られました 。このイベントの様子はSNSでもライブ配信され、多くのファンが良浜への感謝の気持ちを共有しました 。  

この4頭の返還により、日本国内でジャイアントパンダを飼育する施設は、東京の上野動物園(「暁暁(シャオシャオ)」と「蕾蕾(レイレイ)」の2頭)のみとなります 。アドベンチャーワールドは「日本一のパンダの名所」として知られていただけに 、そのパンダファミリーの不在は、関西地方をはじめとする多くのパンダファンにとって大きな変化となります 。地元白浜町の大江康弘町長も「大変驚いた」とコメントしており、地域社会への影響も少なくありません 。  

しかし、アドベンチャーワールドは今後もプロジェクトの継続のため、中国側との協議を続けたいとの意向を示しています 。これは、今回の返還が必ずしもパンダとの縁の終わりを意味するものではなく、将来的な新たな協力への希望を残すものです。  

愛すべき個性と物語:良浜、結浜、彩浜、楓浜の思い出

アドベンチャーワールドのパンダファミリーは、それぞれが個性豊かで、多くの愛らしいエピソードを残してきました。彼女たちの存在は、訪れる人々に笑顔と感動を与え続けてきました。

良浜(らうひん) 2000年9月6日、アドベンチャーワールドで初めて誕生したジャイアントパンダです 。母親の「梅梅(めいめい)」から深い愛情を受けて育ち、自身も10頭の子を産み育てたベテランのお母さんパンダとなりました 。幼い頃はとてもやんちゃで、運動場のタイヤやボールで遊ぶのが大好きだったと言われています 。成長してからは、落ち着いた優しい母親として、子供たちと全力で遊ぶ姿が見られました 。丸い顔がチャームポイントで、毎日美味しい竹をたくさん食べて元気に暮らしていました 。特に2008年に双子の「梅浜」と「永浜」を出産した際は、日本で生まれたパンダとして初めての出産となり、歴史的な出来事となりました 。  

結浜(ゆいひん) 2016年9月18日生まれのメス 。出生時の体重は197gと、当時アドベンチャーワールドで生まれたパンダの中では最も大きな赤ちゃんでした 。名前には、世界中に広がるパンダファミリーと共に、大切なものを次世代へ「結び」、笑顔あふれる未来を創ってほしいという願いが込められています 。頭の上のとんがった毛がチャームポイントで、お茶目で面白い「クセつよ」な一面も持つと言われています 。8歳の誕生日には、プレゼントの人参で作ったバラの花束よりも、美味しい竹に夢中になる食いしん坊な姿も見られました 。  

彩浜(さいひん) 2018年8月14日生まれのメス 。出生時の体重はわずか75gで、アドベンチャーワールドで生まれたパンダの中で最も小さく生まれました 。その小さな体で懸命に生きる姿は、多くの人々に勇気と希望を与えました。名前の「彩浜」には、日常に彩りを与え、明るく前向きになれるような未来の幸せを創る存在になってほしいという願いが込められています 。大きな病気や怪我もなくすくすくと成長し、誕生日には氷の彫刻や竹のプレゼントでお祝いされるのが恒例でした 。  

楓浜(ふうひん) 2020年11月22日生まれのメス 。新型コロナウイルス感染拡大の最中に誕生し、その愛らしい姿は多くの人々に明るい希望と癒しを届けました 。名前の「楓浜」には、秋に美しく色づく楓のように豊かに成長し、多くの人から愛される存在になってほしいという願いが込められています 。生まれた直後から活発で、母親のお腹の上から転がり落ちそうになるほど元気な様子を見せていたと言います 。やんちゃで愛らしい仕草が人気で 、4歳の誕生日には、まず大好きな竹を味わってからプレゼントの氷で元気に遊ぶ姿が見られました 。また、姉の彩浜に続き、「交通安全和歌山夢大使」も務め、交通安全啓発活動にも貢献しました 。  

これらのエピソードは、パンダたちが単なる動物園の展示動物ではなく、それぞれがユニークな個性と物語を持つ存在であることを示しています。彼女たちの名前一つ一つに込められた願いや、成長の過程で見せる様々な表情は、多くの人々の心に深く刻まれています。

返還されるパンダたちのプロフィール

名前性別生年月日中国返還時年齢 (推定)主な特徴・エピソード
良浜メス2000年9月6日24歳AWS初の誕生パンダ、10頭の子を持つベテラン母、穏やかで子育て上手。
結浜メス2016年9月18日8歳頭の上のとんがりが特徴、お茶目な「クセつよ」な一面も。出生時197gは当時AWS最大。
彩浜メス2018年8月14日6歳AWSで最も小さく誕生(75g)、困難を乗り越え成長、人々に勇気を与えた。
楓浜メス2020年11月22日4歳コロナ禍での誕生が希望に、好奇心旺盛で活発、交通安全和歌山夢大使も務めた。

パンダだけじゃない!アドベンチャーワールドの多彩な魅力

アドベンチャーワールドは、1978年4月22日に開園(運営会社は1977年設立)し、「人間(ひと)と動物と自然とのふれあい」をテーマに掲げる、動物園、サファリパーク、水族館、遊園地が一体となったユニークなテーマパークです 。パンダの返還後も、その魅力は多岐にわたります。  

サファリワールド 広大な敷地には、肉食動物ゾーンと草食動物ゾーンが設けられ、動物たちがより自然に近い環境で暮らしています 。専用のケニア号(列車タイプのバス)やジープツアー、サイクリング、ウォーキングサファリなど、様々な方法で動物たちを間近に観察できます 。ライオン、トラ、キリン、ゾウ、サイなど、多種多様な動物たちとの出会いが待っています。  

マリンワールド ダイナミックなイルカやアシカのショーが人気で、特にイルカとクジラが共演するショーは、クジラの豪快なジャンプなど見どころ満載です 。主要施設の一つである「ビッグオーシャン」では、これらのマリンライブが開催されます 。ペンギン(エンペラーペンギンやケープペンギンなど )、ゴマフアザラシ 、そしてホッキョクグマなど、多くの海の動物たちが飼育されています。  

エンジョイワールド(プレイゾーン) 観覧車やジェットコースターなど、様々なアトラクションが揃う遊園地エリアです 。子供から大人まで楽しめる乗り物が充実しており、動物たちとのふれあいとはまた違った興奮を味わえます。  

ふれあい広場・その他の動物展示 カピバラやキリンへの餌やり体験、イルカやペンギンとの記念撮影など、動物たちとの距離が非常に近いのが特徴です 。ワオキツネザルなどの小型サル、フラミンゴ、ウサギやモルモットといった小動物、様々な鳥類など、多種多様な動物たちと直接ふれあうことができます 。  

教育・研究への貢献 アドベンチャーワールドは、敷地内に日本で唯一のパーク内指導員から直接実習を受けられる「飼育員養成学校」を運営しており 、動物の専門家育成にも力を入れています。また、「ワイルドアニマルメディカルセンター」といった施設(過去のトピックスより言及 )の存在は、高度な動物医療への取り組みを示唆しており、長年にわたるパンダの共同繁殖研究と合わせて、種の保存と動物福祉への深いコミットメントがうかがえます。  

これらの多様な施設と体験は、アドベンチャーワールドがパンダの存在だけに依存しない、総合的な魅力を持つデスティネーションであることを示しています。動物たちとの感動的な出会いや、スリル満点のアトラクション、そして学びの機会が融合したこの場所は、今後も多くの人々にとって特別な思い出を作る場であり続けるでしょう。

アクセス アドベンチャーワールドは和歌山県西牟婁郡白浜町堅田2399番地に位置し、JRきのくに線白浜駅が最寄り駅となります。白浜駅からは路線バスが運行されています。自動車の場合は、阪和自動車道南紀田辺ICから田辺バイパス・国道42号線を経由し、南紀白浜ICを利用するのが便利です 。  

南紀白浜の魅力発見:アドベンチャーワールドと楽しむ周辺スポット

アドベンチャーワールドを訪れる際には、その周辺に広がる魅力的な観光地、南紀白浜エリアも併せて楽しむことができます。白浜町は、美しい海岸線と歴史ある温泉郷として知られる関西屈指のリゾート地です 。  

白良浜(しららはま) 「日本のワイキキ」とも称される、約620mにわたって広がる真っ白な砂浜が特徴的なビーチです 。夏場は多くの海水浴客で賑わい、透明度の高い海とのコントラストが美しい景観を生み出します。  

千畳敷(せんじょうじき) 太平洋の荒波によって侵食された広大な砂岩の岩盤で、畳を千枚敷いたように見えることから名付けられました 。特に夕日の名所として知られ、雄大な自然の造形美を堪能できます。  

三段壁(さんだんべき) 高さ約50mの断崖絶壁が約2kmにわたって続く景勝地です 。地下には海蝕洞窟「三段壁洞窟」があり、エレベーターで降りて内部を見学することも可能です。打ち寄せる波の迫力は圧巻です。  

とれとれ市場南紀白浜 西日本最大級の海鮮マーケットで、地元で水揚げされた新鮮な魚介類や和歌山の特産品を購入できます 。市場内で食事も楽しめ、マグロの解体ショーなども行われています。  

円月島(えんげつとう) 正式名称は「高嶋」ですが、島の中央に円月形の海蝕洞がぽっかりと空いていることから、この愛称で親しまれています 。白浜のシンボル的存在で、夕景の美しさは格別です。  

白浜温泉 有馬温泉、道後温泉と並ぶ日本三古湯の一つに数えられる歴史ある温泉地です 。崎の湯(さきのゆ)のような海に面した露天風呂をはじめ、多くの温泉旅館や日帰り入浴施設があり、旅の疲れを癒すのに最適です 。  

その他にも、博物学者・南方熊楠の業績を伝える「南方熊楠記念館」、太平洋を一望できる「番所山公園」、体験型テーマパーク「白浜エネルギーランド」など、見どころが豊富にあります。  

アドベンチャーワールドは、これらの魅力的な観光スポットが集まる白浜エリアの一翼を担っており、パーク訪問と合わせて周辺を巡ることで、より充実した旅行体験が得られるでしょう。自然の美しさ、温泉文化、そして美味しい海の幸が、アドベンチャーワールドでの感動をさらに深めてくれます。

さようなら、そしてありがとう:パンダたちが残した未来への希望

アドベンチャーワールドにおけるジャイアントパンダファミリー全4頭の中国への帰還は、多くの人々にとって寂しいニュースであると同時に、長年にわたる日中共同繁殖研究の一つの区切りを象徴する出来事です。母「良浜」とその娘たち「結浜」「彩浜」「楓浜」が2025年6月末に故郷へと旅立つことで、かつて「日本一のパンダの名所」と称されたアドベンチャーワールドでのパンダとの出会いは、しばしの間、叶わなくなります 。これにより、日本国内でジャイアントパンダに会えるのは東京の上野動物園のみとなり、さらにその上野動物園のパンダたちも2026年2月には返還期限を迎えるため 、日本のパンダファンにとっては気がかりな状況が続くことになります。  

しかし、この別れは、アドベンチャーワールドが30年以上にわたりパンダの保護と繁殖に注いできた情熱と貢献を改めて讃える機会でもあります 。数多くの命を育み、日中友好の架け橋としての役割も果たしてきた同園の功績は計り知れません。今回の返還は、契約満了という理由に加え、高齢の良浜の健康を考慮し、若い3頭を繁殖プログラムに参加させるという、動物福祉と種の保存に基づいた総合的な判断によるものです。  

アドベンチャーワールドは、パンダがいなくなった後も、サファリワールド、マリンワールド、エンジョイワールド、ふれあい広場など、多岐にわたる魅力的な施設と体験を提供し続けます。そして何よりも、同園は「ジャイアントパンダ保護共同プロジェクト」の継続を強く願い、中国側との協議を続ける意向を明確に示しています 。この前向きな姿勢は、将来再びアドベンチャーワールドでパンダファミリーに出会えるかもしれないという、かすかな、しかし確かな希望を私たちに与えてくれます。  

白浜の地で愛されたパンダたちの旅立ちは、一つの時代の終わりを告げますが、それは同時に新たな始まりへの期待を抱かせるものでもあります。アドベンチャーワールドの今後の取り組みと、日中間のさらなる友好協力に、引き続き注目していきたいところです。